グリッドシステムとは。

連続した行と列に基づいてテキストやイメージを配置しデザインの整合性と視認性を高めるレイアウト手法。元々は印刷レイアウトのために考えられたものだが、現在ではWebデザインなど、あらゆるデザイン設計において利用される。また、デザインやブランドなどシステムを構築する上でもグリッドシステムから学べる事も多い。

グリッドシステム グラフィックデザインのために

デザインは情報やメッセージの整理が基本となる。何かしらのシステムを儲けることは、必要な価値を正確に人へ伝えていく。本書には、グリッドシステムとその目的及びブロックマンの哲学、実用的な紙サイズからのグリッドレイアウト、タイポ、マージン、行間など、図版における実例とともに紹介している。また、本書内容はシステム基礎として、その通り行えば良いレイアウトになるとは限らない。制作する情報やメッセージがいく通りもあるように、そのレイアウト方法にもこれらシステム以外にセンスと知識が必要となる。

グリッドシステム グラフィックデザインのために 日本語版

1981年に刊行された原著の完全日本語訳版。

初版/ 2019.11.9
ページ数/184ページ
出版社/ボーンデジタル
言語/日本語

ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン(1914-1996)

スイスのグラフィックデザイナー、タイポグラファー、教育者。スイススタイルとも呼ばれる代表的なグラフィックデザイナー。チューリッヒ芸術大学にて建築、デザイン、美術史を学んだのち、1936年にグラフィックデザイン、展示デザインと写真に特化したスタジオをチューリッヒに設立。コンサートのポスターデザインや雑誌編集、デザイン・コンサルタントなど幅広く活躍。普遍的なグラフィック表現やメディアシステムを確率するため、グリッドシステムを提唱し普及。

1950年代後半からチューリッヒのデザイン美術学校、ドイツのゲシュタルト大学にて教鞭をとり、ヨーロッパのグラフィックデザイナーに多大な影響を与える。

ブロックマンの作品は、この時代のモダニズムデザインから大きな影響を受けている。彼の作品の中でも“目に見えない音楽を幾何学で表現した”ポスターが有名。デザインの構造と音楽のハーモニーの視覚的繋がりを模索し、グリッドシステムの中で自由な表現を行なっている。

Zurich Tonhalle. musica viva. Concert poster, 1957, 1958, 1959